写真や動画を撮影するときに構図はもちろん、カメラと組み合わせたレンズ、そして被写体との距離や写真に写る範囲によって大きく印象が変化します。カメラにはさまざまなテクニックがありますが、今回はその中でもぜひ知っておきたい画角について解説していきます。
目次
画角とは
レンズの焦点距離と画角の関係
焦点距離
焦点距離24mm
焦点距離35mm
焦点距離50mm
焦点距離100mm
焦点距離200mm
焦点距離400mm
画角に収まる
画角と水平画角との違い
iPhoneの画角
iPhone12で撮影:1x(1倍) - 26mm相当(35mm換算)
iPhone12で撮影:0.5x(0.5倍) - 13mm相当(35mm換算)
画角と構図の違い
広角レンズと単焦点レンズの画角の違い
広角レンズ(~35mm)の特徴
焦点距離を変えられない単焦点レンズ
まとめ
画角とは、写真に写る範囲の角度のことです。画角(角度)が広いとレンズに写る範囲が広く、画角が狭いと遠い距離まで写真に写すことができます。
カメラレンズの焦点距離とは、カメラレンズの中心からイメージセンサーまでの距離のことです。この焦点距離によって画角が変化します。
焦点距離が長くなると画角が狭くなり短くなると広くなります。このように焦点距離と画角は切っても切れない関係となっています。カメラレンズを選ぶ上で非常に重要な値なので、レンズ名称には焦点距離がmmで記載されています。
焦点距離による写真の変化を見ていきましょう。
焦点距離:24mm(35mm判換算)
カメラ:SONY α7R V
レンズ:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
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焦点距離:35mm(35mm判換算)
カメラ:SONY α7R V
レンズ:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
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焦点距離:50mm(35mm判換算)
カメラ:SONY α7R V
レンズ:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
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焦点距離:100mm(35mm判換算)
カメラ:SONY α7R V
レンズ:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
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焦点距離:200mm(35mm判換算)
カメラ:SONY α7R V
レンズ:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
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焦点距離:400mm(35mm判換算)
カメラ:SONY α7R V
レンズ:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
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このように写真に写る範囲が大きく変化していきますので、画角・焦点距離を考えるということが非常に重要な要素になります。
カメラのレンズは一般的に焦点距離によって広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズに分かれています。
広角レンズ:焦点距離約35mm以下画角63°以上
標準レンズ:焦点距離約50mm画角約46°
望遠レンズ:焦点距離約80mm以上、画角約30°以下
焦点距離が短くなると画角が広くなり、焦点距離が長くなると画角が狭くなります。
下の写真は立ち位置を変えずに画角のみを変更した写真です。
写真の中に収まっている範囲が変わることで、主役が森なのか、木と空なのか印象が大きく異なることを感じられるのではないでしょうか。このように、どの範囲まで写真に収めるかが「画角に収まる」ということになります。
画角とは、写真に写る範囲のことに対して、水平画角とは、レンズから水平方向に写される光景の範囲を角度で表したものです。
画角を意識するのは交換式レンズのカメラだけでいいのでは?と思うかもしれませんが、身近なスマホのカメラも広角レンズが搭載されています。
iPhoneで風景や高い建物を撮影するときに思いの外広い範囲を撮影できた、という経験はありませんか?それは広い範囲を写すことができる広角レンズで撮影されているためです。
iPhone 15 Proを例に挙げると13mm相当の超広角カメラ、24mm相当の広角カメラ、77mm相当の望遠カメラの3つのカメラが搭載されています。
画角はどの部分まで写真に収めるかの範囲ですが、構図は人や物の配置、光と影のバランスやコントラスト、縦位置か横位置どちらで撮るのかなど被写体を強調するためのテクニックのことです。
画角を意識するのはもちろん、構図による違いを理解するといつもの写真の幅がぐんと広がります。
SNSなどで「構図」を「画角」と呼称していることがありますが、意味合いが異なりますので気を付けましょう。 ポートレートの構図を考えよう × 鵜川真由子 | プロが解説するポートレート写真撮影のコツ【第一回】 » ブログ記事を見る
構図のテクニックについてはフォトグラファー鵜川真由子さんに詳しく解説していただいてますのでこちらもぜひ参考にしてください。
広角レンズは、画角が広く、遠近感が誇張される、ピントの合う範囲が広くなるといった特徴があります。空間の奥行きや広がりをダイナミックに表現することから高い建物を近くから撮影したり、風景を広く撮影したい場合に使用します。
単焦点レンズは、焦点距離が固定されているレンズのことです。画角は変えられないものの、開放F値が明るく、解像感の高い高性能なレンズやボケ味などをレンズ設計の段階で調整しやすいため、個性的な味わいのあるレンズが多いのも特徴となっています。
35mm以下の広角レンズの中でも焦点距離が固定されているレンズは単焦点レンズにも分類されます。